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ストライク・ジャム

姜 湖 宙

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第6回 知らせ

    F3号、アクリルガッシュ

     

     猫は、知らせを運んで来た。私は不吉なものだと予感した。しかし、猫は決してその知らせを手離さなかった。実際、それは、私を幸福にする知らせかも知れなかった。私には知る術がなかった。私が七年前に生んだこの猫は、既にボロボロだった。腕は折れ、耳は移植され、尻尾は引き千切れていた。私はキャンバスの中で、この傷だらけの猫の全ての傷を治してやった。正直者ではない私と、この猫は。

     其処には、未来の結果が記されている。私にそれを見る勇気がなかっただけだ。

     再生された猫は、私に最大の配慮を行い、私を尊重していた。今、他の誰よりも。

     熱っぽい身体で、深夜、私は一人アイスを食卓で食べていた。猫は、綿の抜けた頼りない腕で、真っ黒い知らせをそっと食卓の端に載せた。

     窒息している、中身。私はそれを開く力がなくとも、自分を許す覚悟をした。猫は与えられた役割を終え、子供の傍へ、眠るために帰って行った。

     

     

    [© KANG HOJU]

     

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    連載記事

    第1回 父母-pumo-

    第2回 〈TALK〉

    第3回 나와 너〈私とあなた〉

    第4回 湖へ

    第5回 WINDOW

    第7回 SIDE

    第8回 蹂躙

    第9回 越境する魚

    第10回 わたしは何を守りたかったんだっけ?

    第11回 distance

    第12回 つなぐ手

    第13回 人生(ランチタイム)

    第14回 失われたものたち

    第15回 通訳(ジャンクション)

    第16回 リラ冷え(バンダジ)

    第17回 空を仰ぐ