コンテンツへスキップ

ストライク・ジャム

姜 湖 宙

HOME > ストライク・ジャム > 第12回 つなぐ手

第12回 つなぐ手

     

    大きさ:F10号 画材:アクリルガッシュ

     

     

    最近調子が頗る悪い。

    疲れて眠ってばかりいる。

    手を繫ごうとしても、

    その手には届かない、

    さらには、君が手を繫いで欲しい相手は私ではないと知っている。

    ベッドサイドに山積みになった書籍の中の、科白

    「もう十分」という声が飽きるほど脳内で反響する

    毎晩、『三島由紀夫 最後の言葉』のインタービューを繰り返し聴く

    何かを聴いていないと眠りに就けなくて、

    小さなその手を握るちからは

    もうはるか昔のことにおもえる。

    長さの足りないカーテンの下から差し込む熱が

    私の足をずるずると引っ張っていく

    つくられた希望に縋るほどの

    志は未だない。

    恐竜は、滅びてしまった

     

     

     

     

     

     

    [© KANG HOJU]

     

    ※アプリ「編集室 水平線」をインストールすると、更新情報をプッシュ通知で受けとることができます。

    https://suiheisen2017.jp/appli/

     

    連載記事

    第1回 父母-pumo-

    第2回 〈TALK〉

    第3回 나와 너〈私とあなた〉

    第4回 湖へ

    第5回 WINDOW

    第6回 知らせ

    第7回 SIDE

    第8回 蹂躙

    第9回 越境する魚

    第10回 わたしは何を守りたかったんだっけ?

    第11回 distance