サイズ:F6号 画材:アクリルガッシュ
目が合う。日常の交わらない人と。
遠く離れた場所に思いを寄せることは、一日に飲むコーヒーの回数よりも少ない。
距離を埋める、埋めようとする、情報や想像力はやがて無駄だったとわかる。
首を伸ばし、見ようとする。
暗闇のなかで誰かを探している眼がないか。
夜の道路を走りながら、こんなに近い人とでも会話がないことに愕然とする。
道路標識、テールランプは素早く走り去り、
私は立ち並ぶ高層住宅群の名前を記憶する遊びをしている。
独り善がり、手についた絵具。
ただ遠さを知る。
この欲深さを、許さないまま。
[© KANG HOJU]
※アプリ「編集室 水平線」をインストールすると、更新情報をプッシュ通知で受けとることができます。
https://suiheisen2017.jp/appli/