リベリア共和国ニンバ州グレ 2004年
寝たい時に寝て、好きな時間に起き、大人の兵士とマリファナを吸う。ここには善悪を教える大人がひとりもいない。問題の解決方法は暴力でしかない。まわりの大人の兵士たちは自分たちがやりたくない仕事、炊事や洗濯などを彼らにやらせ、村人たちから略奪を繰り返す。ここにいる子供たちは自分の感情を抑えることができない。 ひとりの子供の兵士に、「村に火をつけたら君たちが住む場所もなくなってしまうよ」と言うと、腹を立てたのか突然藁屋根に火をつけた。僕は少年を怒鳴りつけ、慌てて火を消した。少年はただ不思議そうに見ていた。 彼らは人間として大事な部分、他人のことを思う気持ちがなくなってしまった。そうでないと暴力の嵐の中で生き残れなかったのかもしれない。
[© Ryo Kameyama]
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